【第22回】養豚農家 広報担当 たかはし希望さん
「食といのちを見つめなおすきっかけに」
今回の「キレイWOMAN」は、宮城県蔵王地方のブランド豚肉「いつもありが豚(とん)」の普及に努める、たかはし希望さんにお話を伺いました。たかはしさんが「ありが豚」に込めている「食育(しょくいく)」への思いは、3代続く養豚農家に生まれ育った女性ならではのものでした。
上:「いつもありが豚」の子豚。下:農場を支えるたかはしさんのお兄さん(中央)と、「ありが豚」を応援するみなさん
現在の仕事についてお聞かせください
一言で言うと、「ありが豚」の広報ですね。「ありが豚」は、わたしの実家が営む養豚場「白石スワイン」(宮城県白石市)が手がけるブランド豚肉なのですが、その広報を通じて、農場から家庭の食卓へ「食育」を発信していくことがわたしの仕事だと思っています。
都会で生活していると「食卓に並ぶ食べ物がどのように生産されているのか」ということについて、ほとんど知る機会がないと思うんですね。わたしなんかは農場でのびのびと育ちましたので、たとえば豚肉であれば、かわいい子豚を大きく育て、解体して、出荷する…という過程が存在することを直接的なイメージとして持っていますが、都会育ちの人と話していると、そうではないみたいで…。都会育ちの子供に「魚の絵を描いて」と言うと、本当に切り身が泳いでいる絵を描いたりするんです。もちろん、豚を見たこともない。それがカルチャーショックだったんですね。
「ありが豚」の販売は現在、いわゆる「お取り寄せ」、ネット通販専門で行っているので、中間業者を介さず全国のお客さんと直接つながることができます。わたしたち生産者が飼育中のようすなどをお伝えすることで、お客様が「食」と「いのち」を考えるきっかけとしていただければ、という思いがありますね。
もちろん、直接取引きをすることで、お手ごろ価格で台所へご提供できるというメリットもあります(笑)。
お客さんはどのような方が多いのですか?
一番多いのは、子育て中のお母さんや奥さんです。そういった方々は、大切な人に安全でおいしいものを食べてもらいたいと思っているので、食に対する意識がとても高いんですね。特に「食育」に熱心なお母さんは、お子さんに食べ物に感謝することを教えたいということで、そこに「ありが豚」がうまくマッチすると、すごく長いお付き合いになるんですよ。お客様の9割がリピーターさんです。
ブランド名にも、大切な人に対する「いつもありがとう」という気持ちと、お肉となった大切な豚へ「ありがとう」という気持ちを込めているんです。ちょっと恥ずかしいですけど、みんなで「ありがとん!」と笑いあうと楽しいんですよ(笑)。
「食育」への思いを語るたかはしさん
仕事のうえで大切にしていることは?
人とのつながりは特に大事にしていますね。生産者側の意見だけでなく、そしてお客様側の意見だけでなく、一緒に何かを作りあげていけたらいいなと思っています。また、個人販売以外では、信頼のおける飲食店に「ありが豚」を扱ってもらう取り組みも行っていて、「生産者のいる店」としてわたしもよくお店に足を運んでいます。そういったお客さまとの語らいの中で、ただ「おいしい」というだけではない新しい価値観を生み出していきたいですね。
あっ、「ありが豚」を取り扱いたいといって下さるお店、募集中です(笑)。
女性であることでのメリット・デメリットはありますか?
やはりお客様のほとんどが女性ですから、私が女性であることで安心感が生まれるのは大きいです。
それと、飼育中の豚のようすを見せたときに「こんなにかわいい豚を、かわいそうじゃないか」とおっしゃるのは、意外と男性の方なんですね。生命を生み出す女性は「そうか、いのちをいただいてるんだよね」って理解してくれて。そういった問題意識や思いを、多くのお客様と共有できるという意味でも、女性であることがプラスに働いていると思っています。
デメリットについては…、とくに感じていません。
美容と健康で気をつけていることは
よく笑って、楽しく生活することですね。あとは、豚肉のパワーを知ること(笑)。体力をつけたいときには「ありが豚」です。豚肉に豊富に含まれる良質のたんぱく質やビタミンB群には、美肌効果があると言われていますし、何より豚肉は食べると元気になりますから。
「生き物を育てるって24時間休みがないんです」と手帳は24時間式。豚さんグッズはラジオで使ったり、好きな人にあげたりしているそう
5年・10年後の自分は
今よりもっとお客様とつながることができるようなツールを作ることを目標にしてるんです。あと1つは、わたしたちが培っている養豚技術を、発展途上国などで本当に「食といのち」を必要としている人たちに提供できるような仕組みを作りたい。これは、「やがて食糧難の時代がくる」と、戦後から養豚に励んだ祖父の夢でした。祖父は一昨年、引退したのですが、存命のうちに何か形に残したいです。
私も、いい意味で普通の「お肉屋さん」ではなく、新たな何かを作っていくことが目標です。みんなが自然に元気になるような循環型ツールを広げていきたいです。
あなたにとって仕事とは
「自己実現」ですね。仕事をしていくなかでは、自分だからこそできることをやりたいですから、それって結局は自分を知ることですし、そうやっていくことで、周囲の大切に思う人や環境とつながっていけるんだと思います。

たかはし希望(のぞみ)
宮城県蔵王地方で養豚農家の娘として育つ。大学で保育・教育学を修めた後、実家で手がけるブランド豚「いつもありが豚」を「食育」の観点から広報・プロデュースするため、飲食店めぐりやネット活動に奔走する。東京都目黒区のコミュニティーFMにも「広報部のん」として出演中。また、もう1つのライフワークとして、障がいをもった方が地域で「元気に働く」ための支援も行っている。
06:30 起床
07:30~ 散歩
08:30~ 農場との打ち合わせ
10:00~ 営業
12:00~ 昼食
13:00~ 食育サークルで企画会議
16:00~ ラジオ出演
18:00~ 「生産者のいる店」PR
22:00~ 業務終了
23:00~ ブログ執筆
25:00~ 就寝






![女子部[仮] -男子禁制!女子極めサイト- 女子部[仮] -男子禁制!女子極めサイト-](../../images/logo.gif)




