【第24回】「笑顔泥棒」 須藤夕子さん
仕事は自分で作った「居心地のいい居場所」
キレイWOMAN第24回は、雑誌や広告などを舞台に人気タレントの笑顔を引き出し続けているフォトグラファー、須藤夕子さん。一方で世界中の子供たちを写真に収め続けている須藤さんの名刺には、「笑顔泥棒」という気になる肩書きが…。
はじめに「笑顔泥棒」というユニークなお仕事について教えてください


須藤夕子さん撮影
実際は単なるフォトグラファーなんですけどね(笑)。まだ駆け出しのころ、名刺に「写真家」と書くのが、なんとなく気恥ずかしくて、カメラで一瞬の笑顔を切り取る「笑顔泥棒」を名乗ることにしたんです。
人ってカメラを向けられると自然と笑顔になるじゃないですか? 子供のころからそれが不思議で、そんな“魔法の箱”をサンタクロースさんにもらってからは日常的に笑顔を撮るようになりました。そうしているうちに、だんだんフォトグラファーになりたいと思うようになっていきました。
でも、学生時代にはまだ写真を職業にして生きていこうなんて本気では思っていなくて、卒業後は空間デザイナーのアシスタントとして働き始めるんです。そこでは、「クリエイター」と呼ばれる人たちの考え方とか、手に職をつけることの強さとかを学ぶことができたと思っています。
その後、大手広告代理店で契約社員として働くことになり、社員の方が生き生きと働いている姿やたくさんの広告物を見て、次第に私もこんな広告の写真を撮ってみたいと思うようになりました。そこで私の頭をよぎったのが「今、頑張らないと30代の自分が理想の自分になれないのでは」という思いで、本気でやってやろうと編集プロダクションにカメラマンとして入り技術を学びました。
それからすぐに独立されていますね
フリーランスの道に進んだのは、会社組織の中で私もずっと通勤や社内政治みたいなことに煩わされていて…。私は常に写真のことだけを考えていたかったし、そういうことで愚痴ばかり言っているヒマがあるなら独立して苦労を味わってもいいのではと、フリーになる決意をしました。
もちろん、食べていけるかという不安はあったけど、とにかく我武者羅にやればなんとかなるんじゃないかって。一日3時間くらいの睡眠で自分を追い込んで働きまくりました。
作品は子供をモチーフにしたものがとても印象的です
子供は仕事というよりライフワークで、私が撮りたくて撮っている被写体。私の写真集「Catch Your Smile!」(ゴマブックス)を見てもらっても分かると思うんだけど、国内外のあちこちで撮ってるんですね。現地にかわいい子供がいたら、親御さんに話しかけて撮影許可をもらいます。
私の場合、面白い写真が撮れるのは都会の子供の方が多い。ずっと日曜日みたいな平和な土地より、緊張と緩和の両方を日常的に経験している子の方が表情にメリハリがあるのかな。
仕事のうえで大切にしていることは
須藤夕子さん
人とのつながりを大切にしてます。私はフリーだから、なおさら。一つ一つの現場の雰囲気作りもすごく大切なんです。みんなが楽しく仕事できるようにしてスタジオの温度を上げてあげるといい。た
だシャッターを押すだけの人ではダメなんです。私が撮影する被写体は女優さんやミュージシャン、著名人の方が多いのですが、被写体の方に気に入られることもあるんですよ。とくに若い女の子から好かれる事が多いです。
この前は、女優の堀北真希ちゃんが「Catch-」を気に入ってくれたみたいで、雑誌「ダ・ヴィンチ」の表紙で写真集を持ってくれたことがあるんです。あれは本当に感激でした。
生まれ変わるとしたら何をやりたいですか
絶対に、男性のフォトグラファー! 体力的なものが違うのと、やっぱり女性だと、危険な撮影になったときにどこかで「無茶できない」ってブレーキを掛ける部分があるんですね。極端なことを言えば、戦場にも行ってみたいし、アマゾンの奥地にも行ってみたい。そういうときに「男だったら躊躇(ちゅうちょ)しないのにな」って考えることがあるんです。もちろん、女性だからこそ撮れる写真もあるんだけど…。
そもそもフォトグラファーの立ち居地は男性的な要素が強いと思います。撮影の現場っていうのは1枚の作品のために、タレントさん、メークさんやスタイリストさんをはじめとして大勢の人たちが関わっているわけです。そこで最終的にシャッターを切る私がドンと構えていなかったら、みんな安心して仕事ができない。だから自然とお父さんみたいに、つまり大黒柱になっちゃうんですよ。私も現場では完全に男です。
なので、なるべくプライベートでは女性らしく振舞おうと思い、ベリーダンスを始めたり、料理を毎日やろうと心がけてます。早くお嫁に行けるといいんですが…(笑)。
カバンの中にも仲良しのみんなと撮った写真が
最後にあなたにとって「仕事」とは
「居場所」かな…。20代のころは自分が安心できる居場所をはっきりと見つけられていなかったんですが、最近、やっと見つけた。自分で作った「居心地のいい居場所」という感じです。
好きな事を仕事に出来ているというのは、本当に幸せなことで、フリーで約10年仕事をしていますが、不安定さは常に緊張感を作り出してくれて、私にはとても合っています。毎日いろんな人と仕事をして、たくさんの人が私の家族になっていくような感じでとても楽しいです。これからも笑顔泥棒としてたくさんの笑顔を盗み続け、私自身も笑顔の素敵な人でいたいと思います。

須藤夕子(すどう・ゆうこ)
1974年2月8日生まれ。神奈川県・横須賀市出身のフォトグラファー。広告代理店で働くOLだったが、一念発起しカメラの道へ。世界中の子供の笑顔を集めるのをライフワークにしていることから、通称「笑顔泥棒」。
08:00 起床
09:00 朝食
10:00~ ヨガ
12:00~ 撮影
16:00~ ロケハン・打ち合わせなど
19:00 ベリーダンスなど
21:30 夕食
22:00~ 撮影準備・調べもの
25:00 ブログ・mixi更新
26:00 就寝
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